家具のメンテナンス完全ガイド:長持ちさせるための秘訣

はじめに…
皆さんは普段家具のメンテナンスをしていますか?
テーブルやシェルフなどの家具は日常生活に欠かせないアイテムですが、こまめにメンテナンスをするという方は少ないのではないでしょうか。
素材に合わせたお手入れ方法を知っておくと、気がついた時にさっとメンテナンスができ、その寿命を大幅に延ばすことができます。
頻繁に買い替えることのない家具だからこそ、適切なメンテナンスをして長く大切に使いましょう。
本記事では、家具のメンテナンス方法について詳しく解説します。
まずは家具の基本的なメンテナンス方法についてチェックしましょう。
家具の材質にもよりますが、簡単なお手入れで十分綺麗になるので、こまめに取り組むことをおすすめします。
日頃のメンテナンスで重要なのは、家具の材質に関係なく、まずほこりを除去することです。
シェルフやTVボード、サイドテーブルなどの家具は、気がつくとほこりが溜まっているケースが多い家具といえます。
柔らかい布巾での乾拭きや、掃除機のノズルをブラシタイプや細長いノズルタイプに付け替えて、ほこりや小さなゴミを除去しましょう。
小さなゴミが残った状態で濡れ拭きをすると、家具に傷が付く原因となるので注意が必要です。
ほこりを取り除いた後に、硬く絞った濡れ布巾で優しく拭き上げをし、最後に水分が残らないよう乾拭きをしましょう。
日頃のお手入れであれば、ほこりの除去だけでも十分家具を綺麗に保つことができます。
オイル塗装の家具であれば、材質の保護と艶出しのために定期的にオイルメンテナンスが必要です。
※以下は一般的なオイルメンテナンスの方法です。必ず購入元のお手入れ方法をチェックし、メンテナンスオイルの取扱説明書をよく読んでからメンテンナンスをするようにしてください。
①天板全体のほこり・汚れを拭き取る
傷の原因になる小さなゴミを取り除きます。
②木材家具用のオイルを塗る
ガーゼやコットンなどの柔らかい布にオイルを少量ずつとり、木目に沿ってオイルで拭き上げをします。ムラが生じないように、少しずつ塗り広げることを意識しましょう。全体にオイルを塗ったら、清潔な布で拭き上げをします。
③オイルを馴染ませるために乾かす
触ってもベタベタしない状態まで、天板を乾かします。換気も忘れずに。
④最後の乾燥
表面が乾いたことを確認したら、最後にもう一度清潔な布で表面上のオイルを拭き取ります。その後24時間以上乾かしたら完成です。お部屋の湿度や温度などにより乾燥の状態は左右するので、必ず手で触って完全に乾いたことを確認してから使い始めましょう。
※注意
使用した布はそのままにしておくと酸化反応を起こし自然発火する恐れがあります。メンテナンス後は必ず十分に水に浸し水分を含ませた状態で処分するようにしましょう。
続いて、家具の素材ごとに異なるメンテナンスの方法の注意点を確認しましょう。
ほこりを除去する、乾拭きするなどの日常的なお手入れはどんな素材の家具にも共通するベーシックな方法です。
より本格的にメンテンナンスを行う場合は、素材の持つ特性をよく確認することが重要です。
誤ったお手入れにより家具が劣化したり風合いを損ねてしまうケースもあるので、家具の素材に合わせたメンテナンスを施すようにしましょう。
天然素材である木材のお手入れにおける注意点は、大きく分けて2つあります。
①アルコール除菌
アルコールの成分は、木材家具によく施されている樹脂コーティングを溶かしてしまう特性を持っています。(※木材家具のコーティングにもよるので、購入元に確認するようにしましょう)
塗膜が溶けるとアルコールを塗布した箇所が白く変色したり、ベタつきが生じるケースがあります。
コーティングには家具を摩擦や劣化から保護する役割があるので、これが溶けることで木材の品質が損なわれるリスクも。
アルコールを含まない除菌スプレーや、木材家具用のお掃除クリーナーも種類豊富に販売されているので、お手持ちの家具に使用できるものを確認するようにしましょう。
②強い摩擦を伴う拭き上げ
食べこぼしや指紋などを拭き取る際、ついつい強く布巾を擦ってしまうことはありませんか?
木材家具は強い摩擦によって受けるダメージで、素材の風合いが変わってしまうことがあります。また、強い摩擦により塗膜やコーティングが剥がれてしまう場合もあります。
マットな質感の木材家具は強い摩擦でツヤが生じてしまうことがあるので、注意するようにしましょう。
金属製家具にも豊富な種類がありますが、ここではよく家具に用いられるステンレス製の家具についてのメンテナンス注意点をご紹介します。
ステンレスならではの美しい風合いを長く楽しむためにも、以下の2つの注意点をチェックしましょう。
①研磨剤や金属たわしを使用しない
美しいツヤと強度の強さが魅力のステンレス。デザイン性と機能性を兼ね備えたステンレス家具は、表面の質感が重要です。
研磨剤入りの洗剤や金属たわしを使用して拭き上げをすると、ステンレスが持つ美しいツヤが損なわれてしまいます。
柔らかい布とステンレス専用のクリーナーを使って磨くようにしましょう。
また、ヘアライン加工(表面に研磨によって髪の毛のように細い筋目をつけた仕上げ方法)が施されたステンレス家具の場合は、溝に汚れやほこりが溜まることがあるので、加工線に沿って優しく拭くことをおすすめします。
②水分・油分を放置しない
ステンレスは基本的には錆びにくい素材として家具に用いられていますが、それでもお手入れの頻度や状態によって錆びが生じてしまうことがあります。
ステンレス家具に付着した水分や油分を放置したままにすると、錆びの原因となってしまうのでこまめに拭き取りをしましょう。
また、ステンレスは水跡が残りやすく目立ちやすい特徴があります。キッチンなどでもよく取り入れられる素材ではありますが、美しいツヤを保つためにも日常的なお手入れを心掛けましょう。
ソファやカーテン、クッションなど布・革製品の家具もインテリアアイテムとしてよく取り入れられています。
布製品の場合は、洗濯表示を守ってお手入れをしましょう。特に乾燥機を使用することで、色落ちや縮みが生じるケースが非常に多いので、注意が必要です。
皮製品は素材によりメンテナンスの注意点が異なるので、ここでは合皮と本革の2つを取り上げます。
特徴 |
メンテナンスの注意点 |
|
合皮 |
安価で軽量。比較的簡単なケアで済む。 |
・硬い布での拭き上げによる傷 |
本革 |
風合いが豊かで経年変化を楽しめる。定期的なケアが必要。 |
・水分や油分の拭き取りが必要 |
合皮の場合は、特別なケアは不要で、日常的にほこりや汚れを乾いた布で拭き取るだけで十分。硬い布でごしごし拭くと、表面に傷が付くケースがあるのでその点に注意しましょう。
汚れが気になる際は固く絞った布で水拭きもしくは合皮専用クリーナーで汚れを拭き取りします。
合皮も水分が付着した状態のままでいるとひび割れや剥がれの原因となるので、最後に必ず乾いた布で水分が残らないよう拭き取りを行いましょう。
本革の場合は、合皮同様、日常のお手入れは乾拭きで十分ですが、定期的なお手入れが必要です。
ほこりを取り除き乾拭きをした後、本革専用のクリーナーで汚れを落とし乾いた布で拭き取ります。その後、専用の保護クリームを全体に塗り乾かします。
本革は水分や油分が染み込むと変色や劣化の原因となるので、水分が付着した際はすぐに拭き取るようにしましょう。
また乾燥や直射日光などの刺激にも弱いので、直射日光の当たる場所や冷暖房の吹き出し口の下や付近など直接風が当たる場所は避けて配置しましょう。
合皮に比べてお手入れに手間がかかりますが、メンテナンスをしっかりと行うことで経年変化を楽しみながら長くお使いいただくことが可能です。
次に、季節ごとのメンテナンスについて解説します。
一年を通して目まぐるしく変化する湿度や気温によって、家具もダメージを受けることがあります。
季節や環境に合わせた適切なお手入れを心掛けましょう。
日本の1年間を通した平均的な湿度は、約70%前後と言われています。
湿気は家具の腐食やたわみの原因にもなるため、特に湿度が高い梅雨時期のお手入れは家具を長く使うためにも重要なポイントです。
①こまめな換気と除湿対策
窓を閉めっぱなしにして生活していると、室内にはどんどん湿気が溜まっていきます。
雨が降っている日であっても、短時間の換気であれば室内の湿気を逃がすために有効な手段となるので、こまめに換気をして室内の湿度を下げるようにしましょう。
コンクリートやモルタルを使用した床・壁材のお部屋は、湿度がこもりやすい特徴があるのでさらに注意が必要です。
換気が難しい場合は、除湿機を取り入れるなどの工夫をしてみてもいいかもしれません。
②カビ対策
湿度が高い梅雨時期は、家具に限らずカビが気になりますよね。
湿気を吸い取った木材家具は、空気がこもることでカビの発生源になってしまうことも。基本的には除湿が最も有効な対策となりますので、こまめな換気を心掛けましょう。
湿気とは反対の乾燥も、家具の劣化やダメージの原因になる要素の一つです。
乾燥と聞くと冬場の空気をイメージする方も多いと思いますが、実は夏場のエアコンの風にも注意が必要です。
冷房の風が直接家具に当たり続けることで、家具の乾燥によるひび割れや反りが生じることがあります。
家具の乾燥対策としては、材質に合わせたオイルやクリームでの保護がおすすめです。
エアコンの風が直接当たらないように配置を工夫することも有効なので、ぜひ見直してみてください。
最後に、家具のメンテナンスについて、よくあるトラブルとその対処法をご紹介します。
テーブルやシェルフなどの日常的に使う頻度が高い家具は、傷が付きやすいもの。
特に木材家具のテーブルはカトラリーやお皿の摩擦、ものを落としてしまった時の衝撃でよく傷が付きます。
毎日の生活の一部である証でもありますが、お気に入りの家具に傷が付くとやはり悲しいものです。
小さな凹みであれば、補習クレヨンで色をつけたり木材家具用のパテを埋め込んだりすると、自宅で簡単に補修することができますが、大きな傷やひび割れに関しては自宅での修復が難しいケースがほとんどなので、家具修理の専門店に相談したり、購入元に連絡をしてメンテナンスが可能かを確認すると良いでしょう。
テーブルやシェルフにひび割れが生じている時は、負荷がかかると破損に繋がる可能性があるので使用時に注意が必要です。
家具のぐらつきは転倒による怪我や床材の破損に繋がるので、こまめに対処するようにしましょう。
ネジによる組み立て家具の場合は、ネジの締め直しで解消できることがほとんどです。
摩擦によるすり減りが原因であれば、脚の裏にフエルトを貼るなどして微細な高さ調節をすることもできます。定期的にネジの締め直しやフェルトの交換をするようにしましょう。
背の高い家具のぐらつきは大きな怪我に繋がる可能性があるので、ストッパーで固定するなどして地震対策をしておくと安心です。
今回は、家具の基本的なメンテナンス方法や、素材ごとに異なるお手入れの注意点について詳しくご紹介しました。
日頃のお手入れとしての乾拭きによるほこりの除去で、ほとんどの家具は美しい状態を維持することができます。日々の手入れを習慣化し、大切な家具を守りましょう。
乾燥や湿気の対策は、家具を長く使うためにも大切なケアになるので、ぜひ意識してみてください。
WARDROBE sangetsuでは、生活を彩る家具を豊富に取り扱っています。気になるものはぜひチェックしてみてくださいね。