リネンとは?リネンカーテンの特徴と魅力|お手入れ方法やデメリット対策まで解説

リネン素材の布製品の写真

リネンの歴史は古く、紀元前から使われてきた天然素材の繊維です。衣類によく使用されており、一度は名前を耳にしたことがあることでしょう。

しかし「リネンはどのような生地なの?」「麻との違いは何?」など、詳しく知っている方は少ないのではないでしょうか? 今回はリネンと麻との違いやリネンカーテンの特徴をご紹介します。

[https://wardrobe-sangetsu.jp/collections/drape-curtain/products/ouminoasa-drapecurtain?variant=46123882283243]

リネンとは古代から使われてきた天然繊維

リネンはフラックスという亜麻科の植物から作られる天然の植物繊維で、フランス語ではリンネルと呼ばれています。
リネンの発祥はユーフラテス川などいわゆる小アジア付近とされていますが、現在の主な産地はフランス北部やベルギーといった比較的寒い地域が中心です。

現代でも寝具や衣類をはじめ、さまざまな製品に使用されていますが、リネンはいつから使われ始めたのでしょうか。

リネンの歴史

リネンの発祥は紀元前8,000年頃といわれており、人類最古の繊維ともいわれるほど古くから使用されてきた繊維です。

例えば古代エジプトでは神事にも使用されており、ミイラを巻くために使われた布もリネン製です。エジプト以外には、古代ギリシャやローマ人たちの間でも上質なリネンは愛されていました。

また、リネン(linen)は糸や線を意味する「ライン(line)」や下着を指す「ランジェリー(lingerie)」といった言葉の語源でもあり、リネンが生活に密着したものであったかを知ることができます。

このようにリネンは古くから身近な繊維として重用されており、現代でも衣類やシーツのような製品に広く使われています。

リネンと麻の違いとは?

衣類などの製品表示でよく目にする「麻」とリネンは、どのように異なるのでしょうか。
「麻」とは植物から作られる繊維の総称のことを指し、亜麻科のフラックスが原料であるリネンも麻の一種ということになります。

麻の種類としては、リネンのほかにラミー(苧麻・ちょま)、ジュート(黄麻)、ヘンプ(大麻)などが有名です。

それぞれ特徴や用途が異なり、リネンやラミーは衣類やタオルのような日用品に、ジュートはカーペット基布や麻袋などに、ヘンプはロープや衣類といったものに使用されています。

日本の家庭用品品質表示法ではリネンとラミーの2種類のみが「麻」表示を許可されており、他の麻繊維は「植物繊維」と表記するため、洋服などで麻と表示される場合はリネンかラミーが原料のものです。

リネンの種類

実はリネンには産地や混紡した素材によって種類があります。その中でも特に代表的なものとして、アイルランド産の亜麻を使用した「アイリッシュリネン」やフランス産の「フレンチリネン」があげられるでしょう。

また、綿と混紡することで綿とリネンのメリットを合わせた「コットンリネン」や、ポリウレタンのような素材と混ぜ合わせることで伸縮性を高めた「ストレッチリネン」も衣類などでよく使用されています。

天然素材であるリネンの特徴は?

古代からファッションをはじめ生活のさまざまな場所で使用されているリネンですが、一体どのような特徴があるのでしょうか。天然素材であるリネン生地の持つ特徴をご紹介します。

1.丈夫で長持ちする

リネンは非常にしっかりとした素材で、他の自然由来の天然素材に比べて丈夫です。海外では100年以上にわたって使用されたリネン製品があるほどですから、その丈夫さが分かります。また、水に濡れることでさらに強度が増すという特徴も備えていますが、洗濯をすると収縮してしまうものも多いので、ご家庭で洗濯をする際は洗濯表示の確認が必要です。

水濡れに強いとされしっかりした丈夫な繊維を持つリネン生地は、カーテンやシーツのように日常生活で長く使用する製品の素材として非常に適しています。

2.汚れにくい

リネン生地には、繊維と繊維を繋ぐノリの役目をしているペクチンという多糖類が含まれています。
ペクチンはリンゴなどにも含まれる天然成分で、汚れがつきにくく落ちやすいといわれています。

また、ペクチンには汚れにくくするだけでなく生地の毛羽立ちを抑える効果もあるとされており、ポリエステルのような化学繊維と比べて静電気が発生しづらく、ほこりやごみが付着しにくいのも特徴です。
リネン製カーテンのようなご家庭でのお洗濯に向かないものを日ごろお手入れする場合は、ほこりを払うだけでも充分です。

丈夫で汚れにくい特徴を持つリネンの製品は、丁寧にお手入れを行うことで長く使い続けられるのが魅力です。

3.肌触りがよい

リネンとラミーはともに麻と表記することができる素材ですが、特徴が異なるので分けて紹介します。

リネン

リネンの素材の写真

カーペット基布や麻袋に使われるジュートはゴワつきや刺激を感じる肌触りが特徴ですが、リネンはやわらかくさらっとした肌触りのよさをしています。
また繊維が細く短いため毛羽立ちが少なく、衛生用品などにもよく使用されています。

リネンのおすすめ商品はこちら▼

[https://wardrobe-sangetsu.jp/collections/linen-curtain/products/ouminoasa-drapecurtain?variant=46123882381547]

日本でも有数の麻のブランドである、琵琶湖周辺の湖東地域で作られる「近江の麻」を贅沢に使用したリネンカーテンです。

滋賀県の湖東地域は麻の製織・加工に欠かせない高い湿度と美しい水に恵まれており、古くは室町時代から麻織物を生産する地域として有名です。

美しいきめ細やかな目と、豊かな自然の中で生み出された色は、本物志向の方にぜひ手に取っていただきたい一枚です。

[https://wardrobe-sangetsu.jp/collections/drape-curtain/products/ashlinen-drapecurtain?variant=46146863005931]

良質なリネン100%のカーテンを、お手頃価格でご用意。全11色からお選びいただける当ショップ人気のドレープカーテンです。

ナチュラルスタイルや北欧スタイルはもちろん、モダンやインダストリアルスタイルにも。インテリアスタイルを選ばずお使いいただけます。

[https://wardrobe-sangetsu.jp/collections/drape-curtain/products/airycanvas-drapecurtain?variant=46150163988715]

爽やかなブルーが素敵なエアリーキャンバス。

コットンと麻の杢糸(杢糸とは、異なる色の糸を撚り合わせてほどよいミックス感を出したもの)を使用した、ナチュラルでやわらかい風合いが特徴のカーテンです。コットンが加わることで生地の柔らかさが増しているので、風になびく軽やかなカーテンに仕上がっています。

異なる素材がミックスされた生地ならではの独特のカラーも魅力の一つです。

[https://wardrobe-sangetsu.jp/collections/lace-curtain/products/throughlinen-lacecurtain?variant=46147275194603]

フランスやベルギー、オランダにまたがるフランダース地方の高品質なリネンをイタリアで染色した糸で織られたレースカーテンです。繊細な色表現と上質な光沢感が特徴で、ナチュラルなお部屋にも洗練されたムードを加えてくれます。広幅の生地ですので、つぎ目が入らず大きな窓のカーテンにおすすめ。

アイボリーやホワイトなどのカラーに加え、ブルー系などの豊富なバリエーションをご用意しています。

[https://wardrobe-sangetsu.jp/collections/linen-curtain/products/naturalarabesque-lacecurtain]

リネン100%のカーテンにアラベスク柄の刺繍をあしらった華やかなレースカーテンです。ナチュラルな印象のレースカーテンですが、繊細で美しい刺繍が施されることでエレガントな雰囲気も加わっています。

刺繍が目立つようにベースの生地は緩く織られているので、たっぷりと陽の光をお部屋に取り込むことができます。 

ラミー

ラミーの素材の写真

ラミーの繊維は太く長く、リネンに比べると毛羽立ちが多いです。
しかし、天然繊維の中ではもっとも強くハリやコシがあり、シャリ感を強く感じることができます。色が白く絹のように光沢があるため、発色がよいのもラミーの特徴です。

リネンもラミーも、さらっとした肌触りと使い込むほどに風合いが出てくるという特徴は共通しています。
細かな特徴も把握して、ご自身の好みに合った素材を選ぶようにしましょう。

ラミーのおすすめ商品はこちら▼

[https://wardrobe-sangetsu.jp/products/ouminoasaramie-drapecurtain]

天然素材のやさしさと光の陰影を楽しむ「近江の麻(オウミノアサ)」の新シリーズ。リネンのやわらかさとラミーの凛としたハリが調和し、シンプルでありながらも洗練された空間を演出します。

4.吸水性に優れている

リネンは、天然繊維の中でも吸水性に優れている素材です。吸水性だけでなく通気性や発散性にも優れているため、濡れても乾きやすいという特徴を持っています。

そのため、面積の大きなカーテンほど、梅雨時などは水分を含んで伸び、乾燥する時期は縮むこともありますが、これは天然繊維ならではの性質による変化です。

5.通気性・保温性に優れている

リネンの繊維は中が空洞で、空洞部には空気が含まれています。その空気が余分な熱を逃がすことで夏は涼しく、冬は中の空気が熱を保持するために温かく感じられます。

リネンは涼しげな見た目で夏の素材だと思われている方も多いかもしれませんが、通気性、保温性に優れ、季節を問わず使いやすい素材です。

リネンについてもっと知りたい方や、その他の素材について知りたい方はこちらもあわせてご確認ください。

▼【保存版】カーテンの素材別の特徴とは?素材選びのポイントもあわせて解説

リネンカーテンのデメリットとその対策

リネンは天然素材ならではの魅力がある一方で、取り扱いに注意が必要な点もあります。ここでは、リネンカーテンに見られる主なデメリットと、それぞれの対策についてご紹介します。

1.シワになりやすい

天然繊維ならではのナチュラルなシワ感はリネンならではの魅力ですが、見た目が気になる方にとっては「アイロンがけが面倒」「ピシッとした見た目にしたい」と感じるかもしれません。

 カーテンのシワが気になる場合は、まず霧吹きで軽く湿らせる方法がおすすめです。カーテン自体の重みで自然とシワが伸びやすくなります。どうしてもシワが残る場合は、洗濯表示を確認のうえ、あて布をしてアイロンをかけてください。

 一見気になるシワですが、その自然なシワ感こそがリネンらしさでもあるので、風合いの一部として楽しむのもおすすめです。

2.縮みやすい

リネンは吸湿性に優れた素材であるため、ポリエステルなどの化学繊維と比べると縮みやすい性質があります。

せっかく買ったカーテンがお洗濯後に短くなってしまい、見栄えが悪くなってしまったというお声も少なくありません

このようなトラブルを避けるためには、洗濯表示に従ったお手入れをすることが大切です。誤った方法で洗濯をしてしまうと縮みや型崩れの原因になります。ご自宅でのお手入れが難しい場合は、クリーニング店を利用しましょう。

また、リネンは洗濯だけでなく、お部屋の湿度や季節の変化によっても伸び縮みする可能性があります。リネンカーテンを購入する際は、洗濯時の収縮も考慮して丈を長めに注文すると安心です。

またカーテンの裾をあえて床に垂らしたブレイクスタイルにしていただくのもおすすめです。伸縮が気になりにくくなることや、冷気が入り込むのを防ぎ冬場の寒さも軽減してくれます。

3.直射日光に弱い

リネンなど天然繊維のカーテンは直射日光による変色にも注意が必要です。
リネンは紫外線に弱く、長時間強い光にさらされると黄ばみや色あせが発生する可能性があります。

 レースカーテンと組み合わせて日差しを和らげたり、窓にUVカットフィルムを貼るとよいでしょう。また使用しないときは、直射日光の当たらない風通しの良い場所で保管しましょう。

リネンカーテンの後悔しないポイントはこちら

リネンカーテンのお手入れ方法

リネンは繊細な印象を持たれがちですが、正しいお手入れをすれば、何年にもわたって美しい状態を保つことができます。

天然素材はポリエステル素材と比べて静電気が起きにくく、ほこりが溜まりにくい特徴があります。

普段のお手入れはカーテン表面やレール部分のほこりを落としていただくだけで、きれいな状態が保ちやすくなります。

 洗濯をする際には、まず洗濯表示を確認し案内に沿ったお手入れ方法で洗濯をしましょう。デリケートな生地も多いため、手洗いやドライクリーニング推奨のものも多くあります。

誤った方法でお手入れをすると、縮みや破れなどに繋がりますので、気をつけましょう。

詳しいお手入れ方法はこちら

リネンは暮らしに寄り添う素材

リネンは水濡れに強いうえ汚れにくく、丈夫なため丁寧にお手入れをすることで長持ちします。
また、長く使い込むことでさらに風合いが増していくのもリネンの魅力です。

一日の終わりにベッドに入るとき、さらっとやわらかな肌触りのシーツに包まれる。
次の日の朝、リネンのカーテン越しに感じるやわらかな光で目を覚ます。

流行りにとらわれず、いつの時代も愛されてきたリネン。

年月を経て一層風合いを増していき、わたしたちの生活になじんでゆく。
リネンのある暮らしを始めてみませんか。